前回のコラムで老舗の店舗型ファッションヘルスについて少し触れたら、友人から「最近は店舗型の風俗店ってないの?」と訊かれた。こちらは仕事で週1回は必ずどこかの風俗店に顔を出さねばならない立場である。「風俗ね。あぁ行ったコトはありますよ」程度の友人との会話のギャップは慣れっこではるが、ある意味これもムーブメントというものか?と思った。
あくまでもオレの印象だがムーブメントという言葉の中にはメジャーな印象がある。昔でいうならばビートルズみたいな存在がいて全ての若者が熱狂した…というような現象を指すような気がするのだ。ただ現在の多様化したニーズと供給の世界では、ああいったムーブメントというのはもう実現不可能かのかな?などと考えてしまう。
すでに10年以上も前になるフードルブームも、知っているヒトは知っているけど知らないヒトは知らないという程度だったのかもしれない。ただオレ自身は、
そんなお祭りのド真ん中でお神輿を担いでいたようなところもあり、「ドコドコの●●チャンを撮るぞぉ!」などと張り切っていた訳であった。
最近はいわゆる繁華街から離れてローカルな場所への取材が多くなった。これはデリヘルが増えたからである。都心部へ出るには交通の便のよろしくない場所に住んでいるヒトにとって風俗店側が近づいてくれたという感覚であり、大きなムーブメントと呼ぶにはちょっと意味合いが違ってくる。感覚的にはピザ屋の宅配に近い感覚で風俗を楽しめるようになったというところだろう。実際、オレの友達で在宅の仕事で相当量の収入があり、そのせいか多忙で一歩の家から出ない生活を続けているヤツがいるが、最近になってデリヘルのヘビーユーザーであることを告白されて、なるほどなぁ〜などと思った。
今の風俗業界に欲しいモノこそシステムの変更ではなく、ある種のムーブメントなのではないだろうか?今までの風俗店って一体なんだっただろう?と思えるようなカルチャーショック。そんなところが全体の活性化に繋がるような気がするのだ。
AVなどの影響で痴女プレイが流行したり、人妻風俗のブームもあったが、趣味趣向の方向性を変えてみたという感覚が強い。考えてみると不思議なモノで風俗業界だけでなく世の中全体がそういう方向性で進んでいるのである。音楽にしろ、映画にしろ、細分化した視聴者のために細分化したジャンルでの配信が進んでいる。誰もが口ずさめるようなヒット曲って何かあるのかな?ぐらいな勢いなのである。
こういう傾向が始まったことと風俗のジャンル細分化はなにげなくリンクしているのである。ただし細分化している分だけ一つ一つのムーブメントは小規模になってしまっているのは風俗業界だけが抱える悩みではあるまい。なんとなくスマッシュヒットは出ているんだけど、そのぐらいで終わっちゃうんだよね。というのが全てに通じているようだ。
このところ都心部での取材が激減しているとは今までも書いてきたが、やはりムーブメントは郊外ではなく中央から起こるモノだという自論がある。都会の逆襲は特に風俗業界が意識して進めなければならない改革になるだろう。
ひょっとしたら単純にたった1人の風俗嬢の登場で、そういったムーブメントは起こせるのかもしれない。さすがに一時期のように「癒し系」をウリにする風潮も弱くなってきた。だがその次に来るムーブメントが他の業種同様に見当たらないせいか、ちょっと停滞しているなぁ〜というのが最近の印象であり、少し寂しい。