ヌキなびの仕事ではないのだが、この数週間いわゆるフェティッシュバーやSMバーなる店の取材に奔走していた。ハプニングバーに近い形態の店舗もありいかがわしいことこの上ないのだが、その中でも女王様がM男性を相手にするという図式の多さは俺の想像を完全に超越した数であった。
早い話が、それだけ世の中にM男性が増えているということである。15年ほど前に過激なAV作品『女犯』で、その名を知らしめたバクシー○山下監督に「男がエロい姉ちゃんに逆レ○プされる『男犯』なんてAVはどうっすか?」と半ばジョークで話したことがあった。その時、監督は笑いながらも半分真剣に「それができる女のコがいればいいよね」と言っていたのを思い出した。常に先を走っていた山下監督は割りと早い時期にそういうAVに着手したし、実際に数年前には痴女AVの洪水が発生。あながち筆者の考え方も見当違いの机上の空論ではなかったと我ながらホッとしたものだった。
巣鴨の「マニアスペース」は性感マッサージの店舗として息の長い風俗店であり、いわゆるM性感と言葉責めの風俗店としても有名スポットである。もう何年も前であるが、この店舗のプレイルームに初めて入った時のインパクトは凄いモノだった。「あら、このいやらしいオチン○ン」「アナタのオマ○コ(なぜかこの店舗のプレイ中はアナルをこう呼ぶ)ちゃんに指入れちゃおうかしらん」「こんなに大きくなったいやらしいオチン○ン」などの言葉責めが四方八方から聞こえてくる。それにつれ男性の喘ぎ声も甲高く響き渡り、フィニッシュの瞬間などは泣き声に近かったりするのである。
周囲の声を遮断しないのはピンサロと同様
に相乗効果を狙ったモノであり、個室でありながら異空間に叩き込まれたような錯覚を催す。何回かプレイしているうちに病みつきになるヒトも多く、M性感の味を知ってしまうとヘルスやイメクラなどでは遊ばなくなるという事情も分かったような気がした。かといってSMクラブの敷居の高さや仕来りの面倒さもないのが、最近のM男性を増やした原因の一つでもあるだろう。
中でも比較的空いている時間帯にのみ可能な集団回診は他店舗にはないサービスで、とても人気がある。久しぶりに「マニアスペース」さんを取材して今の店長さんと話をしたのだが「コスチュームの充実と診察台や開脚台を設備したプレイルームを作りました」と、ハード面でのグレードアップを話してくれた。ちなみに以前はミニスカートのナースかランジェリー姿でしかプレイできなかったのである。
通常、恋愛関係などで肉体関係になった場合、常識的に考えてセックスは男性がリードすべき行為である。風俗店の魅力の中には「たまには俺も寝っころがったまま終わりたいやぁ〜」という受け身セックスへの憧れがある。この受け身という姿勢がSMプレイにおいてはMという役割に進化してゆくと考えれば「マニアスペース」のようなM性感店舗にこそ風俗遊び一つの明確な回答があるのではないか?と俺は思うのである。
ともかくM男性は流行でもあり、俺の想像以上にM男性をターゲットとした遊びは広まっている。男性とは先天的にMなのか?何らかの社会現象の一つであるのか?なんてことは俺が分析するような問題じゃないが、したり顔の社会学者なんて輩に三段論法で「デジタル社会の蔓延による性欲の変質」などと解説されると頭に来る。そんな行為が好きという以外の説得力なんて意味ないのだ。